訓練所での学び Part ② ~全体講座編~
以前投稿した、
『訓練所での学び Part ① ~自主講座編~』では、
毎日行う語学学習(生活用と専門用)以外の時間を使って
訓練生が自主的に企画・運営する、
自主講座
について紹介しました。
shinsotsunohonne.hatenablog.com
多種多様な特技や知識をみんなで共有したり、
はたまたストレスを発散するように
楽しめる内容を計画したり、
フリーな時間を活用して行いました。
今回紹介する、全体講座編は
元から訓練のプログラムに入っているもので、
任国における生活様式の違いや貧富の差、
異文化理解や防犯訓練、テロへの対策などの
知識や気持ちの準備をする特殊な授業です。
①『疾病・救護法』
途上国で生活するにあたっては
一番怖いのが健康・安全面です。
医療態勢が十分でない都市や地域に
派遣される隊員がほとんどなため、
起こり得る疾病についてはある程度の
知識をつけておかなければいけません。
医療的な知識や経験がない隊員にとっては、
とても貴重な講座で、担当講師の方の話を
想像し過ぎて怖がりながら聞いた記憶があります。
※助産師や看護師隊員にとっては
退屈な講座だったのかも…??
病気だけに限らず怖いのは、
傷などのケガです。
任国では簡易的にでも手当てできるものが
すぐに手に入ることも想定しづらいため、
生活に身近な布やひもなどを使った
応急手当の方法を勉強します。
※自分の任地は応急キッドの確保も
病院へのアクセスもばっちりの都心でした…。
本当にそれぞれの任地によります。
②『参加型調査手法』
これは教室などで行う座学ではなく、
訓練所がある二本松(福島)の街に出て、
地域の抱える課題の解決に貢献する
というプログラムです。
訓練所近くにある施設にお邪魔し、
数人から数十人のグループでニーズに
合わせた活動を複数回行います。
観光協会や老舗旅館、飲食店や保育園、
商業施設など業種は様々です。
自分は観光協会が企画して行う
『岳温泉おもてなしフェスティバル』の
運営に協力する活動をしました。
事前準備は肉体労働が多く、
当日は参加者をもてなす労働者として
ばっちり貢献した記憶があります(笑)
旅館はひたすら清掃だったり
飲食店はホールスタッフだったり…
人手不足のボランティア感は強かったですね(笑)
施設によっては、観光パンフレットを自作したり、
プロジェクトを企画・運営したり、
活動自体も受け入れ先によって大きく違ったものでした!
みんなで何かに取り組むのが自分は
凄く楽しかった記憶があります!!
二本松訓練所のFacebookに載っている写真をいくつか…
https://www.facebook.com/jicantc
③『異文化理解講座』
訓練所で明らかに違った学習をしたのが
この『異文化理解』についての講座でした。
~貿易ゲーム~
これは、全隊員が10ぐらいの
グループに分かれて行う実践型ゲームで、
経済的な格差のある社会を小さく具現化したものです。
詳しい内容はお伝えしませんが、
いろいろな考え方があること、
格差によって権力に上下が生まれたり、
大人だからこその価値観や意志のもと
多様な行動が生まれることを学べた
個人的には面白い講座でした!
※泣いてしまう隊員が居たりと、
中々大荒れの講座だった気がします(笑)
~Bafabafa~
これは、異文化に飛び込む訓練?
のような特殊な活動でした(笑)
部屋ごとに割り振られたグループには、
その部屋ごとの“独自ルール”が決められています。
その部屋の中から他の部屋に飛び込み、
飛び込んだ部屋のことを理解する。
という、言葉では明らかに表現することが
できない複雑なゲームです(笑)
何も分からない怖さに加えて、
何か手掛かりを得ようと
アクションを起こすと
何かされてしまうという
理不尽さに苛立ちすら
覚えた記憶があります。
でも、この苛立ちこそが
当時の自分の“狭さ”で
異文化理解を初めて体感した
瞬間だったのかもしれませんね!
…と、まあここまで、全体で行う
講座について話してきました。
行ってみてのプログラムは
年によっても異なるみたいなので
ぜひその環境で学べることを吸収して、
楽しむことを忘れずに
過ごしてもらいたいですね!
最後に一つ!
間違いなく言えることは
全体で取り組む一番しんどい時間は
予防接種です…。
任国によっては2ケ月の間に
10回近く打ちます。
助け合って乗り越えましょう!!