新卒のホンネ!~協力隊活動を通して~

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モンゴル国 体育

  

自己プロファイル

派遣国:モンゴル

隊次(具体的な派遣期間):2018年度1次隊(2018/7月~2020/7月※コロナの影響により2020/3に帰国)

協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):神戸大学発達科学部人間行動学科生涯スポーツ研究室

応募時の資格:小学校1種免許、中高保健体育1種免許

職種:体育

配属先:ドルノド県第一学校

活動対象の人:主に小学生(ただし中高生や特別支援学級も活動対象)

要請内容:同僚教員とともにチームティーチングを進め、体づくり運動を中心とした体育の授業を展開する。同僚教員に対し、日本の体育の知識を伝える。

 

 

自己紹介

高校生の時、ふと見たテレビで途上国で小学校教員をされている方を見て、(私も途上国の能力はあるのに教えてもらえずもったいない子どもたちの力になりたい!)と強く思いました。大学在学時に参加したカンボジアへのスタディツアーで村の小学生たちと運動を楽しんだ経験が後押しし、協力隊への応募を決意しました。

 

私の活動は、小中高の一貫校への学校配属で、主に小学生の体育の授業を担当していましたが、中高生の授業や小学生のクラブ活動、スポーツイベントも行いました。また、教員に対してセミナー等も開催し日本の体育教育について伝えていました。

 

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かわいすぎるモンゴルの子ヒツジ(イシゲ)とのツーショット

 

~現地でのことについて~ 

①現地で活動して良かったと思った瞬間

それは間違いなく子どもたちが運動を楽しんでいる様子を見たときです。どれだけ同僚教員とうまくいっていなかった時でも、子どもたちが「それおもしろそう!」「楽しかった〜!またやりたい!」と言って笑顔を向けてくれたことで自分がしていることは間違ってないんだと思うことができ原動力になっていました。活き活きと運動して、キラキラな笑顔になっているのが見たくて活動していました。

 

また、同僚教員が自分たちが考えた工夫した授業を、子どもたちをまとめながら指導している姿もとても嬉しかったです。授業について真剣に考え、意見を出してくれる瞬間なんかは、活動していてよかったなと心から思えました。

 

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小学生は元気いっぱい!エイエイオー!!

 

②活動で苦労or辛かったこと、どう乗り越えたか 

活動で苦労したことは、はじめのうち自分がすればいいことがなかなか見えてこなかったことです。特になにかしてほしいという要望もなく、授業も参加してくれず、(私はここに求められていないのか?)と何度も思いました。同任地の同期隊員たちがはじめから上手く活動していたのもあって結構しんどかったなと思います。

 

けれど、くよくよしていても仕方ないので、自分がしなければならないことに懸命に取り組み、その上でいろいろ試行錯誤して動くことを止めませんでした。何度もぶつかりあったり、涙の話し合いもあったりしましたが、見てくれている人はいるもので協力してくれる人が徐々に増えていきました。

 

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たくさんぶつかりあった先生もいるけど、みんなよくしてくれた!
学校の先生や職場のみんな

 

③要請内容への取り組みとその後

要請内容に対しては、初めこそあれでしたが、1年目の4学期以降、2年目も私だけではなく必ず現地の同僚教員とのチームティーチングで行うことができました。始めは私が教案を考え、説明して現地の教員と進めていくというカタチでしたが、最後の方は現地の教員に授業を考えてもらいサポートするということが少し出来ました。

 

また、私が行った体づくり運動を、PDF形式でアクティビティbookとして資料として残しました。しかし、コロナの影響で授業が国が放映するテレビ授業になってしまい、同僚たちが授業を創る機会がなくなってしまったことが悔やまれます。

 

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初めての運動会でのラジオ体操

 

 

 

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準備、後片付け、マナーなども大事にしました(マットの授業)

 

④要請内容外での取り組みと展望 

私は1つの学校への配属でしたが、私の存在を知って声をかけてくれた他校の体育の先生と共に授業を行ったり、同任地の隊員のツテからまたさらに別の学校で特別支援の生徒たちに対して授業を行ったりしていました。幼稚園で日本の紹介をしたり、同任地の隊員たちと児童施設にちょくちょく顔をだしたりと任地のいろいろな教育の場に関わりました。

 

また、同任地の隊員と協力して互いの配属校でセミナーを開催したり、首都の国立教育大でセミナーをさせていただいたり、さらにJICAモンゴルのFacebookや分科会のホームページで発信したりと、体育についての知識を伝える機会をたくさんいただきました。

 

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首都の国立教育大でのセミナー

 

 

 

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幼稚園での日本紹介でアンパンマン体操

 

⑤現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの 

得たものはたくさんありますが、大きく挙げるとすると“壁にぶつかり乗り越えるために試行錯誤する力”と“相手の側に立つ力”です。

 

今まで日本ではあまり人間関係でもなんでも、そんなに苦労したことはありませんでした。(もしかすると自分が楽なところだけで生きてきただけかもですが、、)。

けれど訓練所時代から少し自分と異なる考えに踏み込んだり、わかってもらえないことに苦労したりと様々な壁がありました。そこから脱却するためにいろいろ考えてみたし、動いてみたし、また自分本位の考えだけでなく相手の側に立ってみることで見えてきたものもありました。動いてみるときに失敗を恐れなくなったのも得たものかもしれないです。

 

この約2年の隊員生活で、前より少し度胸がついて、心のキャパが広がったと思ってます。

 

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中学生には自分たちでできることは委ねました(体力測定)

 

⑥新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと 

これは面接の際にも「どうしてあえて経験がないまま行くのか、そのメリットはなんなのか」と聞かれましたが、一緒になって同じような立場で考えられたことだったと思います。

 

私も日本での教員経験がない分、授業準備はたくさんの教材研究をしましたし、はじめて取り組んでみることばかりでした。変に上から目線のこうするのが正しいという固定概念的なものを押し付けるのではなく、いっしょになってどれがベストなのかやってみるということができました。

 

ただやはり、日本の体育や教育の知識はもっと知っておいても損はなかったと思います。

 

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工夫した楽しい体づくり運動を目指しました(跳の授業)

 

~協力隊全般について~

⑦訓練所での感想

訓練所はホントにこれでもかってくらいフル回転で動いていたのでやっておけばよかったと思うことはそんなにありません。はじめて触れる語学の勉強のかたわら、様々な体験型の講座や自主講座、朝のヨガや夜のスポーツ、また日常生活の中でもたくさんの人たちと関わりをもちとても充実した楽しすぎたくらいの70日間でした!正直寝る時間削ったりいっぱいいっぱいやったこともありましたが、いろいろなことに意欲的に参加できて今でもよかったと思っています。

 

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大好き同任地隊員みんなでマラソンを走りました

 

⑧選考時はどんな面接だった?

人物面接と専門分野に関する技術面接の2つがありました。人物面接では志望動機やなぜあえて新卒でいこうとするのかということが聞かれました。面接中、志望動機を話すときに想いが昂りすぎて泣いてしまったのですが(笑)、面接官の方は優しくうなづきながら話を聞いてくださりました。

 

技術面接では、日本の体育について学習指導要領の中の3本柱はなにかを問われました。また、意見がぶつかったときどうするかなども尋ねられました。

 

希望国以外でも大丈夫かということも聞かれましたが、私の場合、父にアフリカを反対されていたので正直に答えました。合否に影響はないかと思います。

 

⑨何故受かったと思うか

自分の気持ちを飾ることなく正直に話した結果、想いが伝わったのかなと思います。また、漠然と海外行ってボランティアしたい〜ということではなく軸を持って話せ、その上で専門である体育の知識をきちんと持ち合わせていたからだと思います。

 

 

⑩協力隊終了後の進路

大学卒業時や出国前はまったく考えていなかったのですが、来年度より大学院に進学することにしました。1年めに現地の同僚とともに活動することに少し苦労しましたが、その時日本の体育教育が途上国で求められているのは結局なんでだ?自分にもっと自信を持って体育を語れる力があればな〜など知識不足、経験不足を感じていました。また一時帰国の際に資格をとり欧米の体育教育について少し触れたことで、次は私がもう一度学びに行く番か!と思いました。

 

日本の体育のよい点、逆に学ばなければいけない点を広い視野から見てみたいと思っています。さらには、修士号を取れば将来国際機関で働く道も開けるので院への進学を決めました。

 

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しんどいことがあっても、これだけで癒されるモンゴルの雄大な景色

  ~語学について~

⑪協力隊の面接受けた時の語学力は?

面接を受けたときの語学力はTOEIC550点くらいでした。これも大学1回生の受験後すぐに受けた時の点数なので、面接時はもう少し英語力は低下していたかと思います、、(笑)

 

結局モンゴル語だったため、訓練所でホントにイチからの勉強をがんばりました!

 

 

⑫現地で語学は通用しましたか?

モンゴル語は発音が難しいので困ることもありましたが、現地の人たちの理解してくれようとする気持ちに助けられ、通用していたと思います。また、喋り言葉で通じないときは書いて見せたり、辞書が手元にあるときは辞書を使って単語で会話していたりもしました。

 

英語は任地でもちらほらと話せる人がいましたし、首都ウランバートルでは話せる人が多い印象でした。

 

 

⑬どのように語学を勉強したか?

 主に訓練所での70日間の授業と、日常生活で使っていくうちに語学は向上したかなと思います。ただ、買い物など日常生活で必要な言葉や、自分の専門である体育用語以外の日常会話はやはり知らない言葉だらけでなかなかついていくのが大変でした。それでも簡単な言い回しで説明してくれたりとする中で、単語の知識も増えていったように思います。

 

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小さな体育館に2クラス90人くらいの子どもが入ります