新卒のホンネ!~協力隊活動を通して~

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南アフリカ共和国 文化・宗教・人種・差別

今日は、自分個人的に、

「実際に住んでいた側としてはこう思う」

という感想を、

Wikipediaも参考にしながら書いていきたいと思います!

 

タイトルは南アフリカ共和国としていますが、

日本とは違い、地域や民族、所属している社会的階層によって大きく違う生活をしているところが、南アフリカ共和国の特徴。

 

なんといってもジニ係数という国内での貧富の格差を表す指標が一番の国なのです。

www.globalnote.jp

 

2021年7月29日時点でも一位。

 

なので、一概に南アフリカ共和国はこんな国とは言えません。

 

読む際には、

完全に僕の知ってる範囲(南アフリカ共和国の田舎の貧しい地域~中所得地域)での独断と偏見になるので、

ご了承ください♪

 

 

南アフリカの文化

 

フード

 

南アの黒人層の主食はパップ。

 

パップは、英語なのかな?

 

パップはどの民族の言葉でも、

これを指す言葉があるくらい定番の食べ物で、

パップと言えば、南ア人なら白人を除いてほとんどの人が知っています。

 

日本でいえば、米を知らない人がいないぐらいの感覚ですね。

 

自分がいたベンダ族では、現地語でvhusuwa(ブースワ)と呼んでいました。

 

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パップを調理中

 

作り方は、沸騰させたお湯の中に、トウモロコシの粉(メイズミルと呼ばれている)を入れていき、

コネコネまわし、いい感じの密度になるまで粉を投入。

 

これだけ。

 


www.youtube.com

 

ここでは、電気ストーブを用いたパップの作り方を、

南アの現地Youtuberが披露しています。

 

 

直火のパップクッキングの写真は、

自分の任地で撮ったもので、

大家さんが調理しています。

 

ですが電気ストーブでも調理できるので、

火をおこすのが手間な人や都会に住んでる人は、

電気ストーブで調理しますね。

 

僕は大家さんが火で炊いて作るパップが香ばしくてとても好きで、

良くおすそ分けを貰っていました。

学校で勤務して帰ってくると、料理するのが億劫ですし。

 

これを、ツナ缶や豆缶、野菜、チキンと一緒に食べるのが定番中の定番。

食べ方は、パップの塊を手で一口サイズに取り、

片手でこねくり回して、

添え物と一緒に食べます。

 

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一番給食が豪華な日

 

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パップを切っているところ

 

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こんな感じで食べます

 

僕の所属先の先生の家にお邪魔した時は、

 

「パップ+スクランブルエッグ」

 

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パップ+スクランブルエッグ

 

を食べました。

 

野菜要素が一つもない・・

 

パップの触感はお餅に似ていますが、もっとパサパサしています。

パサパサというとあまり美味しくなさそうですが、、

 

実際はとても美味しいです。

 

あくまでも主食なので、お腹を満たす食べ物。

日本で言えば米のような役割。

 

パップ自体の味も、もともとトウモロコシの粉なので、

あまりなく、嫌いになる人はいないと思います。

 

逆にこれが食べられないと、

南ア協力隊生活が終わりに近いかもしれません・・

 

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このように指先でこねて食べます。

 

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収穫の季節になると、ゴリゴリ実を削り取ります

 

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削り終わったトウモロコシの抜け殻

 

南アフリカの風習

 

クリスマス

日本でいう正月に当たるのが、クリスマス。

 

国民の休日としてクリスマスホリデーがあるくらいで、

3日間ぐらいお休みになります。

 

僕の所属先は小学校だったので、12月は夏休みにあたり、

元からホリデーでした。

 

親戚一同で集まり、親族団らん。

 

向こうは家族も多いので、

集まる人数は相当な数。

 

僕のいた地域では、ヤギが一番贅沢な食べ物だったので、

大体クリスマスホリデーの3カ月前くらいにヤギが買ってこられ、

3か月間の飼育後、解体されて食べられていました。

 

解体も現地の人は自分たちでやっていましたよ!

 

牛糞をぬりぬり!?

さて質問ですが、

 

この写真、何が地面に塗られているのでしょう?

 

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答えは

「牛糞と赤土を混ぜ、水を加えたもの」

 

そしてそれを家の周りの地面に塗っているのです。

 

理由は、砂埃の発生を防いだり、

地面を新しい泥を塗ることできれいにする(塗り替える)ため。

 

なるほど、生活の知恵だなと思ったのですが、

 

これをされるとその後、

大量にハエが家の周りに発生し、

家の中にまでたくさん入ってきます。

 

日本からの必需品にワンプッシュスプレーを持っていきましょう。

 

 

南アフリカの宗教

2015年のセンサスによれば、人口の約86%がキリスト教徒、アニミズム祖先崇拝・伝統的なアフリカの宗教が5.4%、イスラム教徒が1.9%、他の宗教が1.5%、無宗教が5.2%であった。[34]。その他の宗教としてインド系南アフリカ人ヒンドゥー教や、ユダヤ系南アフリカ人ユダヤ教などが存在する。

#Wikipediaより引用

 

実際、現地化オリジナルのキリスト教があちこちにあります。

 

教会はチャーチと呼ばれ(現地語でケレーケ)、

毎週日曜日になるとセレモニー的なものが開かれます。

 

教会は南アで働いていた頃、

ローカルな日曜の集会に2、3回行ったのですが、

 

・開会

・パスター(牧師)の説法

・みんなで賛美歌を歌いながら踊る

・パスターの説法

・教会に寄付をする

・解散

 

大まかにいうとこんな流れで、

うちの所では大体日曜日の朝9時から12時or13時くらいまで行います。

 

田舎の人ほど教会に毎週行くことに熱心なイメージはありますが、

人によっては2週間に1度だったりもします。

 

ご近所さんが熱心なキリスト教信者(なのか集会でのおしゃべりが好きなのか)で、

熱心に誘ってくるので、最初のうちは行きましたが、

貴重な日曜日を無駄にすることは出来ないので、

以降は断っていました。

 

断るのに一番良い口実は、

他の宗教を信じていることを言うこと。

 

無信教の説明をするのがめんどかったので、

仏教を信じてるから協会に行けないんだ

ということにしていました。

 

 

南アの人種は?

2009年の推計によると、

人種の割合は黒人(79.3%)、白人(9.1%)、カラード混血)(9.0%)、アジア系(2.6%)

#Wikipediaより引用

 

黒人は、黒人の中でも10以上の部族に分かれ、

それぞれの言語を話しています。

 

しかし似ている言語も多いので、

黒人の人は大体ローカル(地元の)人でも、

母語+もう一言語くらいは普通に話せたりします。

 

白人は、

イギリス系白人と、オランダを中心としたヨーロッパ各地からわたってきた移民の子孫であるアフリカーナ(ボーア人)と呼ばれる白人に分かれます。

 

カラードは、

白人と黒人の混血。

特徴として肌の色が黒人の人たちほど黒くなく、より明るい(白い)色をしています。

明らかに見ればわかります。

 

現地の黒人は、明るい肌の人のことを、

She is lighter. He is lighter.

と呼び、一般的に好まれます。

 

アジア系は中国人、パキスタン人、インド系等いろいろ。

小さな商売をあちこちでしている、商売上手なイメージです。

 

 

白人と黒人の人の好みは、

多くの点において異なっています。

 

例えばスポーツ。

 

白人人気があるのは、クリケット、テニス、ラグビー

黒人人気があるのは、圧倒的にサッカー。

 

ラグビーワールドカップで南アが優勝しても、

次の日の学校の話題に上がりすらしませんでした。

 

人種間で住み分けもある程度なされているので、

現地の白人の人からしてみれば、

協力隊員のように周りが黒人しかいない村で働いていると言うと、

「ありえない!! OMG!!」

みたいな反応をされます(笑)

 

 

南アの差別は?

途上国、先進国に関わらず、

海外旅行した人なら経験したことがある人は多いであろう、この問題。

 

東アジア圏内であればそんなに問題ないと思いますが、

人種が明らかに違う地域に行ったときは、

毎回これについて考えさせられます。

 

あんまり長々と書くのもあれなので、

僕がアフリカ滞在中に山ほど受けたことがある中で、

つらかった差別の経験を一つ。

 

中国人として扱われる差別

 

まず単純に、中国人として扱われ、

中国人として差別されます。

 

外見は確かに日本人と中国人は一緒ですし、

中国人(China, Chinese)は、

世界のあちこちに住んでいるので、

一般に認知もされています。

 

だからレストランとかでも、

中国人と呼ばれたり、

笑われたりとかは割と普通ですし、

それに対していちいち腹を立てていたら精神崩壊します。

 

補足すると、

僕が中国人が嫌いなわけでは一切ありません。

でも評判として、中国の評判は、

南アではそれほどよくありません。

 

逆に僕は海外にいる中国人や韓国人は、

好奇心が旺盛で、知的な人が多いと感じていますし、

文化も近いせいか感覚も似ているところがあるので、

とても好きです。

南アでアジア人はマイノリティーですからね。

 

少し話が脱線したのでエピソードに戻って、

 

自分が南アの公立小学校で勤務していた時、

任地の学校の子どもたちの中でテストの成績優秀者の何人かを、

ご褒美として町に連れて行ってあげたことがありました。

費用は全額自分持ちです。

 

子どもたちは普段町に行くことも少ないので、

一種の旅行的な感じで美味しいものを食べて、

普段行けない図書館で本を読んで、

とても楽しんでいました。

 

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当時の様子。レストランでの食事中

 

その途中、

大勢の大人の男性たちが何かパーティーをやっているそばを通り過ぎるとき、

その中の数人が、

 

「Hey ! China!」

「Corona! Corona!」

 

とからかってきました。

 

僕が現地の子どもと一緒に歩いていたにも関わらずです。

 

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まあその頃はコロナウイルス

ちょうど南アでも感染者が出始めてた頃だったのですが、

 

子どもたちの前でコロナ扱いは、リスペクトに欠けるし、

ありえないのでは・・

と思いました。

 

ですがその大人たちに対して、

「Hey! AIDS!」

と言い返したのは、

 

子どもの前でみっともなかったなと反省しています。

 

言い返した理由は、

それが「Corona!」と呼んでくる人たちに対して、

一番有効なやり返しの仕方だと知っていたからです。

ですがとても反省。

 

そのあと子どもに当日の感想文を書いてもらったのですが、

その中の一人の子が、このエピソードについて自分の考えを書いていました。

原文そのままがあるので、載せたいと思います。

 

ー英語ー

 

Ratshipanga Thandululo(名前)

 

  1. What I like

・I like when Mr.Shinji feed me the spaghetti.

・We eat a lot of food.

・We shoot many photos.

・I like it because you treat us well.

 

  1. What I did not like

・I did not like when people say that you brought Corona-virus here.

 

ー日本語訳ー

 

ラチパンガ・チャンドゥルーロ(子供の名前。当時13歳)

 

  1. 私が好きだったこと

・シンジ先生(もう一人の協力隊員の方)が私にスパゲッティを食べさせてくれたこと。

・たくさんの食べ物を食べたこと。

・たくさんの写真を撮ったこと。

・先生たちが私に良くしてくれたこと。

 

  1. 私が嫌だったこと

・人々(男たちの集団)が、先生たちがコロナを持ってきたと言ったこと

 

 

この作文に関して、当時の先生だった自分がうれしいポイントはいくつもあります。

 

①きちんと伝わる英語で文章が書けていること。

②自分以外の相手が存在する文章を書いていること。

③嫌だった事に、自分ではなく先生が言われたことを書いており、何が良いことなのか、何が悪いことなのか自分で判断が出来ていること。

 

感想文を書くことは強制(この活動をJICA南ア事務所に伝えて、継続的なものにしたかった)でしたが、

中身の指示は特にしてません。

 

この感想文を見た時に、

自分の任地でやっていた活動は間違っていなかったんだなと、

苦労が報われた気がしましたし、ちょっと泣けました。

 

 

I love my kids forever. Miss you.

 

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それでは!