新卒のホンネ!~協力隊活動を通して~

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ブラジル 野球

 

自己プロファイル

派遣国:ブラジル

隊次(具体的な派遣期間):2018年度1次隊

協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):明治大学商学部商学科 マーケティングコース

応募時の資格:教員免許 中高社会科

職種:野球

配属先: クリチーバ日伯文化援護協会

活動対象の人:子供(6歳〜大人)

要請内容:野球を通してチームワーク・規律を日本式の練習法を取り入れた野球指導

 

自己紹介

私は大学卒業後の進路を考えるうえで、

教師になることを見据えて進路選択をしていました。

 

大学卒業してストレートで教員になるよりも、

一般企業で社会人としての経験を積んでから教師になったほうが、

生徒に教えること、伝えることの幅が広がると思ったからです。

 

私自身の専門教科が社会科・世界史ということもあり、

日本の外の世界、異文化に対する興味・関心も高く、

海外出張や駐在がある企業を中心に探していました。

 

そんな折、大学四年の就活中に電車でみたJICAの広告

「いつか世界を変える力になる」

を見かけました。

 

その時は「青年海外協力隊ってきいたことあるな」ぐらいの感じでしたが、

これが協力隊に関心を持ったきっかけです。

調べてみると「野球」という職種で募集がされていたことを知りました。

 

正直、青年海外協力隊というと

「途上国で井戸とか掘るボランティアでしょ?」

といったイメージを持たれている方が多いと思いますが、

私自身も『野球』という職種で募集があることを知らずに驚いたことを覚えています。 

 

最終的に

「私の17年の競技生活の経験を協力隊として活かすことができること」

「海外生活をとおして異文化を学ぶことができること」

など自分の希望とマッチングしたことが協力隊を志望する理由となりました。

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練習の様子

まずはじめに

①あなたにとってのJICA海外協力隊とは

繋がり

 

~現地でのことについて~

②現地で活動して良かったと思った瞬間

いっぱいありすぎますが、箇条書きにまとめてみます。

・指導している子どもたちの成長を感じることができたとき。

・学校を訪問して野球教室などをしたときに、多くの人が初めて体験する野球という競技に興味・関心を持って目を輝かせていた時。

・自分を通じて日本のことに興味・関心を持ってもらえた時。

・野球を通じて、本当に多くのアミーゴ(友達)に出逢い、繋がりが広がっていく時。etc

 

③活動で苦労 or 辛かったこと、どう乗り越えたか

派遣の要請内容と現地で求められることは必ずしも一致しません。

 

私の配属先の要請内容は

「科学的根拠に基づいた練習法」

「日本の礼儀や規律を守る指導」

を選手だけでなく、現地指導者に指導することでした。

 

私は4代目ということもあり、

派遣前から3代目の隊員の方と連絡を取り合っていました。

 

その時の話の中で、

「JICAボランティアがいなくても現地の活動はなりっていること」

「日本のやり方を受け入れてくれない人がいること」

など事前に情報を得ることができました。

 

実際の活動の中でも、

現地でベテランとして指導してきた経験がある人が、

いきなり来た日本人の指導を即座に取り入れてくれないことはわかっていましたし、

理解が得られないこともありました。

 

そういった時に

「なぜ自分がここに来ているのか?」

「自分が必要とされているのか?」

等自問自答することが多々ありました。

 

そこで現地で学んだことは

「人が変わる前に自分が変わること」

「信頼関係を築くこと」です。

 

頑なに変わらない相手を「変えよう」とするのではなく「自分が変わる」こと。

 

これがなかなか難しいと思います。

 

ただ全部を相手に合わせてしまうのではなく、

自分のなかで変えてはいけない部分、

野球隊員でいうと指導方針の芯となる部分と、

自分がどこまで変われるのかのバランス、

この見極めが重要でした。

 

日本のやり方が絶対正しいと自負していたとしても、

現地で受け入れてもらえなければ意味がありません。

 

受け入れてくれないのであれば、

自分が変わるという姿勢は必要になってきます。

 

また言うまでもなく「信頼関係構築」は必須です。

 

普段からの付き合い、

挨拶一つひとつが重要になってくるので、

現地の人とは積極的に関わるようにしていました。

 

④要請内容への取り組みとその後

要請内容は

「科学的根拠に基づいた日本式の野球指導」

「規律を重んじる指導」

を選手だけでなく指導者に対しても指導することでした。

 

ブラジルでは2学年毎にカテゴリーが分かれていて、

わたしは主に9〜10歳のカテゴリーの子どもたちの監督として指導をしていました。

 

他のカテゴリーは、

それぞれ現地の指導者が指導しています。

 

自分のチームの練習がないときは、

他のカテゴリーの子どもたちの個人練習を見ていました。

 

自分が配属される前から、

配属先の人たちの人間関係が悪く、

スポーツクラブの中の野球部のをまとめるコーディネーターが不在であったため、

要請内容にあるような指導者向けの指導は叶いませんでした。

 

そのため各カテゴリー様々な練習で、

一貫した指導が難しかったのが残念です。

 

配属先の組織運営が上手く機能してなかったことが原因です。

 

しかし、その中でも、自分のチームとその他のカテゴリーで日本式の練習法に興味がある指導者と協力しながら活動を進める事ができました。

 

⑤要請内容外での取り組みと展望

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⑥現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの

・相手を変えるのではなく、自分が柔軟に変化すること。

・様々な角度、視点から物事を見つめること。

 

⑦新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと

新卒だと訓練所で年下がいることは稀だと思います。

つまり一番年下として、

他の社会人経験のある隊員から吸収できることしかありません。

これは非常に貴重な機会だと思います。

 

それと新卒に限らず、

若いということは体力があるということ。

 

体を動かせるということは強みと捉えて、

思いっきり現地の人(子どもはもちろん大人とも)と体を動かすのは良い交流になります。

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~協力隊全般について~

⑧訓練所での感想

とにかく濃密。

外国語の授業・派遣国事情・協力隊事業・危機安全管理

などなど学ぼうと思えばいくらでも学ぶことができる環境が揃っていました。

 

特に語学の授業は、

これだけのクオリティの授業を無料で受けることができるなんて、

贅沢すぎると思っていました。

これだけの環境を活用しないわけにはいきません。

 

やっておけばいいこと、、

語学やその他の勉強などの合間で余裕があれば、

自分で何か企画してみたかったなと思います。

 

同期隊員のみんなが何かしら企画を考えてくれて、

交流の場を設けてくれたり、

おんぶに抱っこ状態でした笑

 

ここで出会った同期は一生モノの繋がりになっていると感じています。 

 

⑨何故受かったと思うか

自己分析と派遣された場合の活動イメージをしっかり持っておいたことはプラスになったと思います。

また、最後は自分の熱い気持ちを面接官に伝えることができたのかなと思っています。

 

⑩協力隊終了後の進路

臨時の教員をしながら正規の教員を目指しています。

協力隊での経験を教育現場で還元していきたいと思っています。

 

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~語学について~

⑪協力隊の面接受けた時の語学力は?

TOEIC460点くらいだったかと思います。

大学入学後に受けさせられたTOEICです。

 

⑫現地で語学は通用しましたか?

ブラジルはポルトガル語でしたが、

最初の3〜4ヶ月は何を言っているか聞き取れず、

なかなかにストレスを感じていましたが半年、1年と時間が経つにつれて、

相手の言っていることがわかるようになったり、

自分の言いたいことをしっかり伝えることができるようになり、

活動もスムーズに行き始めました。

 

⑬どのように語学を勉強したか?

訓練期間中は基礎基本をしっかり習い、

日常生活のあらゆるものをポルトガル語に置き換えて言えるようにしました。

ルー大柴みたいな感じです笑

 

現地では、最初はとにかく現地の人の和に入って、

言葉がわからないながらもその場の雰囲気を楽しみながら耳を慣らしました。

 

半年くらいで耳はだいぶ慣れてきます。

ずっと言葉がわからない環境は結構なストレスなので息抜きは必要です。

 

言語上達で一番いいのはマンツーマンで話し合える環境だと思います。

現地の人からも外国人の彼女を見つけるのが一番の近道だと言われました笑

 

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⑭後輩隊員へのメッセージ

協力隊での活動がスムーズにいく人、いかない人様々です。

即効性はなくても

”いつか世界を変える力になる”

という想いを持ち続けて小さなことから動き続けることに意味があると思います。

 

草の根活動の”根”をしっかり張って、いつか花を咲かせましょう!