ルワンダ共和国 小学校教育
自己プロファイル
派遣国:ルワンダ共和国
隊次(具体的な派遣期間):2018-1(2018/7-2020/7 コロナの影響で2020/3 帰国)
協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):名古屋大学法学部
応募時の資格:TOEIC785(2016年6月)、中学社会/高校地歴/高校公民 教員免許
職種:小学校教育
配属先:E.P. Nyakabuye (ニャカブウェ小学校)
活動対象の人:現地教員、小学校4-6年生
要請内容:理科の実験授業の導入
~自己紹介(志望理由や活動内容を含めて)~
Muraho!!(ルワンダ語でこんにちは)
私は大学で国際政治や国際協力について学び、その中でも発展途上国とよばれている国々の教育に関心を持ちました。本を読んだりデータをみたりということもしていたのですが、「実際はどうなんやろう?」と常に思っていました。
あとは「アフリカとか行ってみたい!どんな生活してるんやろう?」という単なる興味もありました。探してみれば他にもボランティアやスタディーツアーなどいろいろな方法がありましたが、より現地の人と同じような生活ができるということ、二年間の活動をさらにその後のキャリアに生かしやすいということ、国の事業として実施されており安心して活動ができること等を考慮して、JICA海外協力隊に応募しました。
~現地でのことについて~
①現地で活動して良かったと思った瞬間
理科の授業の一環として収穫した食材で昼ご飯を児童と食べ終わった後に、何人かの児童が「ありがとう、楽しかったよ」と笑顔で声をかけてきたこと。
他のボランティアに協力してもらい授業を行ったときや、コンテストなどのイベントごとを終えたときに「今日の授業楽しかった!次はいつするの?はやくしたい!」と心から楽しんでくれたこと。
同僚が整理整頓やモノの取り扱いの注意を進んで行っている姿をみられたこと。
たくさんありますが、毎日の中で少しの変化でもあれば、活動している意味があったな、良かったなと思えました。何よりも児童の笑顔には癒され、励まされました。
②活動で苦労or 辛かったこと、どう乗り越えたか
最後まで受け入れられなかったことは、先生が児童を棒で叩くような体罰でした。特に初めの頃に衝撃的だったのは、5問のミニテストで間違った分だけ児童が叩かれ、ある子が叩かれた後に自分の解答用紙を破り捨てて教室を出ていったことです。
ここはルワンダで、日本とは違うということを理解し、今後無くなっていくものだと言い聞かせるしかありませんでした。何か問題があった時や心配して声をかけたい時に、言葉が出てこずにそれができないことも不甲斐なく辛かったです。
③要請内容への取り組みとその後
要請内容は理科の実験授業の導入でした。実験器具はなかったので、身の回りにあるものでできる実験に取り組むことを心掛けていました。ボランティアの帰国後にもその実験が継続されることが必要だと考え、他のボランティアと協力して実験マニュアルの作成に取り組みました。理科の授業には、日本でもみられる土、光、動植物などに加え、農具や肥料などの単元もあったため、学校菜園をとおして体験しながら学ぶことにしました。
学校裏の空き地を開墾し、苗を植え、収穫して子どもたちと昼ごはんとして食べるまでの一通りの過程は活動の軸となり大きかったです。帰国後にも校長から豆の収穫をしたとの連絡があり、活動が継続されていることがとても嬉しかったです。
④要請内容外での取り組みと展望
要請内容外でも校長先生から何でもしていいよと嬉しい言葉をいただいていたので、英語と体育に取り組みました。授業といっても、高学年の時間割のうち約半分あるフリータイムを利用させてもらっていたので、とにかく児童が学びたくなる内容をメインに行っていました。
英語ではワークシートやフラッシュカードを作成してゲームをしたり、絵本の読み聞かせや暗記大会など実施したりしました。体育ではドッジボールやポートボールに挑戦しました。ちなみに休み時間にJICA事務所にあった野球グラブとボールでキャッチボールもしてみました。他のボランティアに協力してもらい、図工音楽の授業や、環境のワークショップを開いたりもしました。「授業が楽しい!」「学校が楽しい!」「学ぶことが楽しい!」というきっかけになればと取り組みました。
⑤現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの
1.鈍感さ
2.ポジティブ思考
3.周りの人を大切に
いい意味で(?)適当なルワンダ人と生活をともにすることでとりあえず寛大になったように思います。日本よりも不便な生活をしたことで、毎日いろいろなことに幸せを感じられるようになりました。任地での生活を助けてくれた人や、応援してくれた人、家族や友達を大切にする姿を見せてくれた人のおかげで、これまで以上に身近な人や助けてくれている人への感謝の気持ちも大きくなりました。
⑥新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと
チャレンジ精神でどんなことにも取り組むことができました。自分自身が楽しそう、児童が楽しんで学んでくれそうと思ったことを、同僚や校長に直接アイデアをだしてすぐに実行できるところが良かったです。もちろん配属先の環境にもよると思いますが、すごく協力的で活動しやすかったので助かりました。
活動途中から実践しましたが、教員経験のある方にもっとアイデアをもらったり、共同で活動したりできたらよかったです。
~協力隊全般について~
⑦訓練所での感想
いろいろな経験やキャリアを積んできた人と出会えて面白かったです。私は自分のペースで生活できていたので特に問題はなかったですが、人間関係でストレスを感じる人にはしんどいかもしれません。
⑧選考時はどんな面接だった
人物面接と技術面接がありましたが、両方とも自分自身の考えを話すもので、知識を問われるような質問はありませんでした。一次審査で提出した書類の内容を掘り下げられてもいいように準備をおく必要はあると思います。
⑨何故受かったと思うか
とりあえず新卒は元気とやる気があって熱意が伝われば受かると思います。ただし、どのような活動をしたいかということと、帰国後の進路についてはしっかりと考えておく必要があると感じました。
⑩協力隊終了後の進路
ルワンダにいる間様々なサポートをしてもらい活動に取り組むことが出来たので、日本にいる外国人や今後日本でビジネスを始めえようとする人をサポートできるような仕事ができたらいいなと思い勉強中です。
~語学について~
⑪協力隊の面接受けた時の語学力は?
大学編入のためにTOEICは勉強していました(スコア785)。その後大学でも自学は続けていましたが英会話には苦手意識をもったままでした。
⑫現地で語学は通用しましたか?
首都キガリでは問題なく使用できますが、任地ではルワンダ語を使用していました。学校では英語で指導することになっていましたが、英語で授業を進めながらもルワンダ語で訳していくという感じでした。
⑬どのように語学を勉強したか?
英語―TOEIC対策ばかりしていましたが、もっと話す機会をつくればよかったです。変な文法でも単語でも伝わればいいという精神でやっているほうが役立つと思います。
ルワンダ語―ルワンダに到着してから1か月間語学訓練があり、生活に必要最低限の知識は身につけられました。任地に派遣されてからは、近くにいる人に尋ねたり、子どもたちのジェスチャーやリアクションから読み取ったりして使える言葉を覚えていきました。