新卒のホンネ!~協力隊活動を通して~

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ウガンダ共和国 コミュニティ開発

 

自己プロファイル

派遣国:ウガンダ共和国

 

隊次(具体的な派遣期間):2018年度1次隊(2018年7月~2020年3月) 

 

協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):某外語大学 外国語学

 

応募時の資格:TOEIC 715点(2015年7月)

 

職種:コミュニティ開発(水の防衛隊)

 

配属先:ウガンダ共和国マユゲ県マユゲ県庁 水・衛生事務所

 

活動対象の人:地域住民

 

要請内容:水の防衛隊(※1)として、以下を目的に活動を展開する。

①村の給水施設の状態や運営課題について調査する

②調査を基に、収入向上や生活改善を通して住民の組織化を促し、

 給水施設の維持管理に対する意識向上を図る

③住民の衛生意識・行動の実情を把握し、衛生啓発活動を実施する

 

~自己紹介~

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任地での休日に見たビクトリア湖の景色

 

志望理由:大学で国際協力を専攻し、

学生時代はネパールに4度訪れ防災教育活動などに取り組んだが

短期間のボランティアだったことから

長期的に滞在し大学で学んだことを実践し

途上国支援に関わりたいと考えたため。

 

活動内容:以下4点が主な活動となる。

1.ディスカッション・活動計画立案(PCM手法)

2.アップサイクル(※2)タイヤサンダルの製作・販売

3.サンダルの収益を利用した井戸へのフェンス設置

4.小学生を対象とした歯磨きの指導

 

~現地でのことについて~

①現地で活動して良かったと思った瞬間

長期間任地に住むことで

住民の生活レベルや地域の問題を知り

変化を求める志の高いパートナーと協力し

草の根レベルで起こせる変化にトライできた。

 

また、私自身が

住民にとっての「外国人」として生活を経験し

歓迎されつつも外部者として見られ

時には差別的発言に頭を抱えたことで、

日本に移住した人々の苦労を

僅かばかり理解した。

 

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「ムズング!(現地語で白人を意味する)」と声をかけてくる子供達

 

②活動で苦労or 辛かったこと、どう乗り越えたか

配属先との関係構築が上手くいかなかったこと。

開始3ヶ月の段階で

配属先のトップであるDWO(District Water Officer)と

活動計画について話し合う機会があったが

彼らが本来行うべき業務を

全てボランティアの私に任せようとする態度から

口論となってしまった。

 

マユゲ県庁 水・衛生事務所は

私を除く計4名の職員が所属していたが

任地・マユゲ県ではなく

隣県の都市・ジンジャ県に住んでおり

車で通うにもガソリン代をマネージできず

週1回来ればまだ良いペースだった。

 

私自身にはどうにもできず

ボランティア調整員(※3)のサポートによって

帰国直前にようやく関係が回復した。

 

③要請内容への取り組みとその後

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PCM手法によるコミュニティーリーダー達との会議

 

コミュニティリーダー数名と共に

PCM手法(※4)を用いて意見交換をし

「水」をテーマに地域が抱える問題を抽出し、

「井戸が動物に衝突され壊れる」

という中心問題が上がったため

これを解決すべく

資金集めを目的に

アップサイクルビジネスに着手した。

 

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販売開始直後に人気を得たタイヤサンダル

 

任地内で廃タイヤをよく見かけたことから

再利用して質の高い商品を作り

首都などで販売することによって利益を得て

得た利益で井戸を保護するフェンスを

設置することとした。

 

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避難帰国後にカウンターパートが中心となり井戸に設置されたフェンス

 

また、他地域に体育隊員として

派遣された同期隊員の発案により

小学生を対象に歯磨き習慣の指導も実施した。

 

私が任地に到着して数日、

1日に数回歯磨きをしていると

「僕達は1日1回しか歯磨きをしないよ」

と、隣人から話を聞いた。

 

まず実情として、ほとんどの住民が

歯ブラシや歯磨き粉を持っていなかった。

 

各家庭の収入から考えて

余計なものだと判断されていた。

 

彼らは木製の小さな棒だけで

歯と歯の間を掃除しており、

爪楊枝を使って口内のゴミを

取り除くだけで

それも朝起きてすぐの1回のみだった。

 

これを改善するために

主に小学生を対象として

巡回指導に取り組むこととなった。

 

首都にオフィスを構えるメーカーに

歯磨きセットのサンプルの寄付を依頼したが

残念ながら希望は通らなかったため

毎食後に口内のゴミを取り除くように

各校生徒に授業を展開した。

 

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歯磨き指導の授業後の様子

 

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歯磨き指導用にコップを用意してくれた子供達

 

④要請内容外での取り組みと展望

歯磨き指導の活動を始めた頃、

同期隊員の任地の

彼らが関わる小学校を訪問し

歯磨きの大切さを伝える授業を実施した。

 

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他地域での歯磨き指導風景①

 

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他地域での歯磨き指導風景②

 

また、首都・カンパラで開催された「日本祭」で

タイヤサンダルの販売に挑戦した。

カウンターパート共にJICAブースに立ち

24ペア中11ペアを販売し

フェンスの予算確保に繋げた。

 

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カウンターパート共に日本祭にてサンダル販売を実施

 

⑤現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの

1.生活力

ずっと実家暮らしだったことで

家事は苦手ではあったが

満足のいかない環境の中で

1人暮らしをしたことによって

料理や手洗い洗濯などは

苦に感じなくなった。

 

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よく作ったチャーシュー丼

 

2.現地の友人

基本的に人と関わるのが嫌いだが

厳しい環境で生きていくためには

周りの助けが必要だと感じ

ご近所との関係を築くのに

お互いのことだけでなく

日本やウガンダのことも多く語り

気づけば週末に遊んだり

飲んだりするほどの友人関係もできた。

 

3.挑戦心

未経験のことにも積極的に

挑戦しようとする気持ちが強まった。

タイヤサンダルのような

モノづくりの現場にも初めて携わり

慣れないPOP作成にも

同期のデザイナー隊員と共に取り組んだ。

 

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同期隊員の協力により完成したサンダル用のPOP(日本語版)

 

⑥新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと

専門性が特にあるわけでもなかったため

物事を深く考えすぎず

フレキシブルに動けたことは大きかった。

 

やっておけばよかったことというのは

要請内容によっても変わってくる上に

協力隊としての取り組みに

正解も不正解もないと感じたため

特に思いつかない。

 

~協力隊全般について~

⑦訓練所での感想

人間関係は広く築ける反面

気を使う場面も伴って増えるため

友人が多くできても問題ない人は

楽しく過ごせるかと思う。

 

語学訓練が英語の人で

特に問題なく喋れる場合は

退屈に感じると思える。

 

 

 

⑧選考時はどんな面接だった

人物面接は自分について話すことが中心のため

あまり苦労はしないが

コミュニティ開発の技術面接は

選考時に希望した要請に対して

どのような展望があるかなど

具体的なことを聞かれるため

風景などが浮かばないながらも

可能な限りイメージはしておくべきだと思う。

 

⑨何故受かったと思うか

やりたいことが明確だったことと

協力隊に入るために必要なことは

学生時代に出来る限り学んだからだと感じる。

 

⑩協力隊終了後の進路 

タイヤサンダルという

モノづくりに関わったことから

同じように途上国で商品を製作し

日本や様々な国で販売する仕事に携わりたい。

 

~語学について~

⑪協力隊の面接受けた時の語学力は?

大学2年次序盤に取得したTOEIC715点が

最後に受けたときのスコア。

 

⑫現地で語学は通用しましたか?

リスニングの面で

ウガンダ訛りの英語には苦労したが

コミュニケーションは問題なかった。

 

任地内、特に中心地から外れた地域では

知っている範囲での現地語(ソガ語)を使って

コミュニケーションを図った。

 

⑬どのように語学を勉強したか?

英語のスピーキングスキルは

学生時代に授業で習得。

 

訓練所では特に勉強はしなかった。

 

現地語は本当に苦手だったが

気になる表現を住民に尋ね

教えてもらっていた。

 

(※1)水の防衛隊

https://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/job_guide/pdf/JV_mizunoboueitai.pdf

(※2)アップサイクル

 

https://upcyclejapan.org/upcycle/

 

(※3)ボランティア調整員

https://www.jica.go.jp/recruit/kikakuchosain/index.html

(※4)PCM手法

https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/200712_aid_10.pdf