新卒のホンネ!~協力隊活動を通して~

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ザンビア共和国 小学校教育

自己プロファイル

 

派遣国:ザンビア共和国

隊次(具体的な派遣期間):2018年7月~2020年3月(新型コロナウイルスの影響で途中帰国)

協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):横浜国立大学教育人間科学部国語科専攻

応募時の資格:小学校教員免許、中学・高校教員免許(国語)

職種:小学校教育

配属先: チリラリラ初等学校 (Chililalila Primary School)

活動対象の人:日本の小学校1年生から中学3年生にあたる児童・生徒約300名、教員約20名

要請内容:理数系科目の授業の実施・授業改善

 

 

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一年生と集合写真

 

~自己紹介(志望理由や活動内容を含めて)~

 

大学進学の際に教員になりたいという強い思いも無く、教育学部を受験し、合格しました。そのため、大学卒業後の進路を決める際に、迷いがあるまま教員になるのは子供達に申し訳ないような気がしてしまい、進路決定について悩んでいました。

 

それ以前に、青年海外協力隊経験者の話を伺った事があり、途上国で2年間生活すれば、自ずとやりたい事が見えてくると思い、志望しました。また、単に将来、「2年間外国で暮らしていました!」と言えたらカッコイイなという魂胆も強くありました!

 

 

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ザンビアの名所 ヴィクトリアの滝にて 

 

~現地でのことについて~

 

①現地で活動して良かったと思った瞬間

 

・やる気を引き出せた瞬間

子どもたちにとって算数・数学は苦手科目であり、嫌いな科目でした。

授業を工夫して、グループ活動中心の授業にしたり、簡単な問題を多くしたりすることで、少しずつやる気を引き出せた瞬間が活動していて良かったと感じた瞬間の1つです。

 

・感謝されたとき

ボランティアをしていても、時が経つにつれて、地域の一員となっていくため、配属先・任地いるのが当たり前となり、あまり感謝されなくなります。

それでも時々、子供達・先生・保護者・街であった人達が「いつもありがとう!」と声をかけてくれる時があります。その時は、自分も少しは役に立てているのかな・もう少し頑張ってみようかと、前向きな気持ちになり、嬉しく感じました。

 

 

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間違いを恐れず、前でどんどん発表させるようにしました。


 

②活動で苦労or 辛かったこと、どう乗り越えたか

 

・先生達へのアプローチ

派遣当初、「自分が帰国した後も配属先の役に立てるように、人を育てたい」と思い、先生達の指導スキルの向上を図りたいと考えていました。しかし、いざ活動を始めてみると、先生達の方がザンビアの子供たちのレベルを理解していることや、言語の壁を考えると、ザンビアの子供たちに対しては私の指導よりも現地の先生の指導の方が優れているかもしれないと感じるようになりました。

学力的な指導に関しては殆ど何もできませんでしたが、常態化していた体罰に関しては何度も伝える事で少しずつ減っていき、控える先生が増えました。

 

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仲の良かった先生と

 

③要請内容への取り組みとその後

 

・算数・数学の授業の実施

5年生から9年生の算数の授業を、学期ごとに教員の不足している学年を中心に行っていました。解けそうな問題から沢山取り組ませて自信・やる気をつけさせたり、生徒に沢山発表させたりと、ザンビアでありがちな教員からの一方通行ではない授業を目指しました。結果として、指導していた9年生の国家試験の数学の合格者数を増やすことができました。

 

・現地の先生との授業改善

前述したように、他の先生達を巻き込んだ授業改善に対しては殆どアプローチができませんでした。活動の終盤で、体罰の抑止の為に動いてくれる先生はいましたが、私の帰国後も継続してくれるかはわかりません。

 

 

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真剣に勉強

 

 

④要請内容外での取り組みと展望

 

年に1,2回ほど、日本文化の紹介を他のボランティアとともに行いました。ザンビアは派遣されている隊員が70名程いたため、有志で集まってソーラン節、日本の遊び(けんだま・折り紙等)、日本食(だんご等)を紹介していました。ザンビア人にとっては中国・韓国・日本の区別がつかないため、日本の文化や「おもてなし」の精神を知ってもらい、日本を好きになってもらえるように意識していました。

 

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子どもは日本の事に興味を持ってくれます


 

⑤現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの

 

・異文化理解

私にとって初めてのアフリカであり、アフリカに対して恐怖心のあった私は、赴任してから半年ほどは現地の人達をあまり信じる事が出来ずにいました。しかし、私の任地には見返りを求めず、世話を焼いてくれるザンビアの人達が沢山おり、大切なのは「〇〇人はこうだ!」と決めつけずに一人一人を見る事だと思えるようになりました。

 

・探究心

ザンビアで生活をする中で日本と比較して様々な疑問が生まれてきました。「なぜ日本はアフリカより発展しているのだろう?」「日本はなぜ治安がいいのだろう?」等々。

幸い私の任地は電波が良く、インターネットで調べものができ、また首都の隊員宿舎には沢山の国際協力関係の本があり、沢山の本を読み、考える習慣がつくようになりました。

 

 

⑥新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと

 

・進路選択

ザンビアにいる間に、日本では経験できない体験が出来たり、本を沢山読めたりしたお陰で視野が広がりました。また、日本にいる同年代が就職・転職していくのを聞き、「自分に向いている仕事は何か?」と、今後の進路について考えるきっかけとなりました。今後は教員になりたいと考えていますが、協力隊に寄り道をしたことで前向きに進路決定が出来た気がしています。

 

 

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ザンビアの空は広い

 

~協力隊全般について~

 

⑦訓練所での感想(思い出に残っていること、やっておけば良かったこと等)

 

私の時は、アジア・アフリカ・中東に行くボランティア100名以上で70日間、語学・国際協力について学びました。今まで関わりが無かった様々な背景を持つ人達と知り合え、親睦を深め且つ新しい事を学べる貴重な期間でした。

しかし、70日間自室を出れば誰かに会う生活なので、集団生活が苦手だと少し苦しいです。

 

 

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訓練所の自室から


 

⑧選考時はどんな面接だった(内容)

 

意欲や志望動機等を中心に問われる人物面接と、自分の職種分野に関わる質問が中心となる技術面接がありましたが、どちらの面接も「今まで経験してきたことを派遣国でどのように活かすか」を重視されているように感じました。

また、何よりも大切なのは「2年間やり切る気持ち」を全力でアピールする事だと思います。

 

 

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生徒たちと


 

⑨何故受かったと思うか

 

小学校教育は要請数が多く、しかも教員免許が必要な要請が多いので、応募者が足りていないようです。結果として教員免許があり、健康で意欲がある人であれば新卒でも合格する人が多くいるようです。

 

⑩協力隊終了後の進路(現在考えていること、やっておけばよかったこと)

 

活動前は進路について悩んでいましたが、1年8か月の活動を終えて、教員になりたいと強く思えるようになりました。上手くいかない事の方が多かったですが、子供達の分かった瞬間や、成長を見ていく事に喜びを感じたからです。

活動の結果、夢を見つける事ができ、ザンビアや協力隊の経験にとても感謝しています。

 

 

~語学について~

 

⑪協力隊の面接受けた時の語学力は?

 

TOEICで500点程度でした。大学入学後から協力隊の語学訓練までの4年間、殆ど英語に触れずに過ごしていました。語学訓練では、レベル別に5人前後のクラスに割り振られ、会話中心の授業を毎日行いました。新しく表現や文法を学ぶことは殆どなく、持っている語彙や文法をコミュニケーションの中でどのように活用し、自分の思い・考えを伝えるかが重要視されていたように感じます。

 

⑫現地で語学は通用しましたか?(現地語は?英語は通じた?)

 

学校の先生には英語は通じましたが、児童・生徒の中には英語が伝わらない子供も多くいました。そのため、わざわざ新しい言い回しを覚えて使っても子供達が理解できず、逆効果であると感じたため、できる限り簡単な語彙・文法で話す事を意識していました。

現地語については簡単な語彙は覚えるように努力はしましたが、会話ができるレベルまで習得することはできませんでした。現地の人達は英語よりも現地語で話した方がとても喜びます。そのため、現地語を習得できると、任地でとても愛される隊員になれると思います。

 

 

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マーケットでは現地語を話すと喜んでくれる人がたくさん

 

⑬どのように語学を勉強したか?(どのように言語を向上・習得させたか)

 

生徒が理解できる単語・言い回しを使う事を意識していたため、できる限り多く生徒とコミュニケーションをとり、理解できる単語・言い回しを考えるようにしていました。

また、自身のスキルアップとしてオンラインのTOEIC対策サイトに登録し、家でも時間を決めて取り組むようにしていました。

新型コロナウイルスの影響でTOEICを受ける事は出来ていませんが、日々の勉強の手ごたえからして700点から900点の間のスコアだと思います。

 

 

問い合わせ先メールアドレス(なんでもお気軽にどうぞ!隊員の紹介も可能です)

shinsostunohonne@gmail.com まで!