ルワンダ共和国 コミュニティー開発
自己プロファイル
派遣国:ルワンダ共和国
隊次(具体的な派遣期間):2018−1次隊(2018年7月~2020年3月)
協力隊派遣前の専門学校・短大・大学(所属学部やゼミ):鳥取大学農学部生物資源環境学科国際乾燥地科学コース
応募時の資格:普通自動車免許
職種:コミュニティ開発
配属先:セクターオフィス
活動対象の人:コーヒー農家・加工場のメンバー・コーヒーショップのメンバー
要請内容:コーヒーの品質向上・生産性向上
自己紹介
志望理由:人の役に立ちたいという思いを漠然と抱え、たどり着いたのが青年海外協力隊でした。要請内容の希望については、わずかながら農学部で学んだ知識が活かせたらという考えと、カフェでのバイト経験で得たコーヒーへの興味から、コーヒー関連の要請に希望を出しました。
活動内容:私の活動要請内容は、コーヒーの栽培と加工の現状改善でした。加えて、コーヒーショップの品質改善のお手伝いもしていました。
コーヒーは一般的に飲む状態になるまでに、
①果実(通称、コーヒーチェリー)
②パーチメント(外皮付きの生豆)
③生豆
④焙煎豆
⑤抽出されたコーヒー
といった過程を経て飲む状態のものになります(例外もあります)。
私の任地では、このうちの①・②・⑤の業務を担っている方々がいらっしゃいました。私の活動は総じて、各業務がよりよい状態になるべく、提案をすることでした。
具体的に①農家さんへの栽培技術の提案、加工工場のマネージャーへ設備改善の提案、コーヒーのレシピの提案などです。
~現地でのことについて~
現地で活動して良かったと思った瞬間
目に見える形で変化が見られたときですね。
色々な提案をすべく試行錯誤してみたものの、失敗がほとんどでした。そんな中で、提案を受け入れてくれたり、コーヒーの売り上げが伸びたりすることが見ることができたのは、私にとって大きな喜びでした。
活動で苦労or辛かったこと、どう乗り越えたか
正しい情報を集めることができず、苦労しました。
重要なミーティングの日程や、農家さんの栽培技術の現状を把握するのが中々できませんでした。聞いてみても、実際に起こることが、自分の理解した内容と違っていることも多々あり、毎日が行き当たりばったりでした。参加したかった行事を逃してしまうこともしばしば。
この問題の原因は、私の言語能力による制限、情報収集対象の忖度、そもそも情報共有をあまりしない文化等なんじゃないかと思っています。
根本的な解決には至りませんでしたが、対処法として、できる限り村を散歩して状況を把握することと、伝えたいことの資料を常に準備しておくことを心掛けていました。
要請内容への取り組みとその後
①栽培
収量増加を目指して、栽培技術の提案をしました。具体的に行ったこととしては、モデルファームの建設(3か所)、ハンドブックの配布(約600戸)、緑肥植物の種の配布(13カ所)、苗床の作成などです。
コーヒーは種から実が採れるまでに3年はかかるため、モデルファームで採用している技術の提案まではまだ至っていない状況です。
②加工向上
コスト削減を目指し、専門家からいただいたアドバイスを基に施設改善の提案をしました。提案の段階では提案に同意してくれたものの、諸事情により実行の段階には至りませんでした。マネージャーは来年実行するとも言ってくれているので、どうなるか引き続き気になります。
③コーヒーショップ
売上個数の増加を目指して、レシピの改善を提案しました。レシピは徐々に改善されていき、店舗の改装・移転なども行われました。結果的に売り上げ利益が粗利で10倍になり、任地の豆を仕入れて販売するようにもなりました。この成果はお店側の方針決定による要因が主因ではありますが、現状改善のきっかけとして少しは貢献できたのではないかと思っています。
要請内容外での取り組みと展望
他の任地のコーヒー隊員と、情報共有のシステムづくりに協力しました。定例会のルール作りとか共有フォルダの整理とかですね。
あと、コーヒーショップへの支援は正確には要請内容外なので、これに当たるのかもしれませんが…。
現地での活動や生活(隊員生活)で得たもの
善意の押し付けをしないように、意識できるようになりましたね。
任地では自分なりに良かれと思って色々な提案をしてきましたが、思い通りにいかないことばかりだったわけで。
鼻で笑われたり、「じゃあいくらくれんの?」とお金を求められたりとかもありました。
正直なところ、任期の終わりごろまで、そういった反応に腹を立てていたのですが、いつからかこれは善意の押し付けだと考えるようになりました。
今は相手に変化を求めず、なるべく対象にとって有益な提案ができるようにと、自分のできることは何かに集中するよう心掛けています。
あと、鶏や豚を育てる段階から食べるまでを経験したのは、感慨深かったです。
新卒だから出来たと思うこと、逆にもっとやっておけば良かったこと
他の隊員さんの話やアドバイスをたくさん聞けたことですかね。
色々なキャリアを持つ隊員の皆さんの経験談やご指摘は、自分の知らないことだらけで刺激的でした。
~協力隊全般について~
訓練所での感想
色々な考え方を持つ人と交わり、考え方の多様性を知りました。理解できない考えに悩むこともありましたが、今思えば勉強させてもらったなあと思います。あと、語学力を高めるために一日のスケジュールが組まれていたのは、勉強ごとに対してさぼり癖がある自分にとってはとても効果的でした。
選考時はどんな面接だったか
①人物面接
・動機
・学生時代の経験
・ボランティアとしての考え
などを問われた記憶があります。
物事に対する柔軟性が問われるとか問われないとか。
②技術面接
・専攻分野についての質問
・他の国や要請でもいいか
などを問われました。
何故受かったと思うか
健康な体と、専攻分野が農業だったことですね。
健康な体が協力隊参加に必須なのは他の方が言っている通りです。
また、試験官の方曰く農業分野は要請の割に人が不足しているらしく、面接時からウェルカムな雰囲気でした。
反面、私が学部で学んだことは限られていたので、任地で苦労したりもしました。
語学のスコアに不安を持っていましたが、結果的には大丈夫でした。
協力隊終了後の進路
日本の伝統工芸の分野で働けたらと思っています。
2年間弱海外でボランティアとして生活して、外部者ではなく当事者になりたい・日本の文化が自分は好きで応援したいと思うようになりました。
具体的な進路は現在模索中です。
~語学について~
協力隊の面接受けた時の語学力は?
T O E I Cのスコアは500くらいだったと思います。
要請内容の求めるスコアには達していませんでしたが、結果的には選んでいただきました。
本当に感謝です。
現地で語学は通用しましたか?
人によりましたが通用しました。任地では現地語・英語・フランス語・スワヒリ語などが使われ、私は派遣後約1か月間で学んだ現地語と英語を使っていました。英語は不安が残る状態での派遣だったのですが、相手も自分と同じ程度話せる人が多く、難しい単語を使うことが少なかったのでコミュニケーションは取れました。現地語については簡単な単語しか分からず、英語を話さない人に対しての会話には苦労しました。
どのように語学を勉強したか?
ネイティブスピーカーの先生のレクチャーですね。
語学を高めるのには
勉強する環境づくりが僕には効果的だったように思います。油断するとさぼるので。